花紅柳緑~院長のBLOG

座右の銘「医事は自然に如かず」

梅雨入りと紫陽花の魅力

大島産の紫陽花を白磁に生ける


近畿地方は6月6日頃から雨天が多くなり梅雨入り宣言も近い。この時分の花である紫陽花には毒性があり、厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル」で植物性自然毒に分類されている。<紫陽花(あじさい)のはなし>(2022/5/28)で触れたが、牧野富太郎博士は「白居易の「紫陽花」に詠われた花はアジサイではない」、さらに「アジサイ(あえて紫陽花の表記はなさらない)は房州・豆洲辺に自生せる額アジサイを親とする日本出の花で唐物ではない」と詳解しておられる。紫陽花の表記が不適格で有毒植物であるとも、また庭木、仏花やお見舞いには不向きとも言われるが、路地で雨に濡れ揺れる姿には名状しがたい風情がある。

ところで拙宅の紫陽花は、昨年の猛暑の影響で枝振りが一段と不良である。もっとも気候のせいとは責任転嫁で、要は夏の朝に水やりを怠った不手際の所以である。不遇な当家の花とは異なり、入手できた大島産は家内で意気軒高な姿を見せている。長旅を経て到着した日は些か萎れていたが、翌日に元気を取り戻し日ごとに花のボリュームを増している。

なお紫陽花の切花は水下がりしやすい。生け花に用いる際は切花延命剤を用いるとともに、茎の先端を長く斜めに切り落とし、さらに茎の中の海綿状のワタを掻き出して断面を広げる処置が不可欠である。出荷元ですでにこの処理がされているが、茎をさらに短く切り落とす時も同様の手技を加える必要がある。

紫陽花や帷子時の薄浅黄
   陸奥衛  芭蕉