花紅柳緑~院長のBLOG

座右の銘「医事は自然に如かず」

花菖蒲と杜若の色変化

花菖蒲の一番花


白い花の季節が過ぎると、藤や桐、花菖蒲や杜若など紫の花の季節が到来する。5月初めに濃紫色の花菖蒲、日の出と青紫色の杜若を取り寄せた。両者ともにアヤメ科アヤメ属の多年草で、一番花が咲き終わり萎れかけた時に摘み取れば、やがて鞘苞から二番花の新たな花蕾が顔を出す。但し切花延命剤を用いても確実に二番花が花開く訳ではない。一番花で力尽き終わりとなることも少なくない。幸いにも花菖蒲、杜若ともに今年は二番花を拝することが出来た。 

ところで一番花の段階でも、花菖蒲、日の出の花蕾は濃紫色なのだが、花開くと花弁(外花被と内花被)の色がやや薄くなる。それが二番花になれば花色はさらに淡く薄紫色に変化した。これに比し、杜若は一番花と二番花の花色が殆ど変わらない。紫の色は古代より尊ばれた高貴な色である。紫系の伝統色には数多くのゆかしい名前がある。花の色の細やかな移ろいは、ともすれば忘れがちな季節の動き、時の流れを如実に感じさせてくれる。

花菖蒲と杜若の二番花


参考資料:
尚学図書編:「色の手帳」, 小学館, 1992
吉岡幸雄著:「色の歴史手帳 日本の伝統色十二ヶ月」, PHP研究所, 1996
野呂希一写真・著, 荒井和生著:「色の風景I 空と水」, 青菁社, 2003
野呂希一写真・著:「色の風景II 花と木」, 青菁社, 2003