花紅柳緑~院長のBLOG

座右の銘「医事は自然に如かず」

穀雨の養生



穀雨(4月20日)は、二十四節気の第六番目、春季の最後の節気である。天候は温和となり、降雨量も増えてきて、雨生百谷、雨は百穀を生ずと称される通り、春の種蒔きや穀物の成長にふさわしい季節となる。春が深まり気温が上昇するにつれて、皮膚では血管や毛穴が広がって血流が増加し、脳に送られる血流は減少して、表裏の気血の不均衡が生じてくる。その結果、昼間も眠気を感じる、疲れやすい、集中力が落ちるなどの春困症候群と呼ばれる症状があらわれる。これはこの季節がもたらす一種の生理的現象であり、昼間の適度な運動と十分な睡眠が必要である。また春は陽気が昇りやすい季節であり、体内に内熱が蓄積して陰液を消耗し易い。春は一般に風が多く雨が少ない季節であり、体の水分が不感蒸泄を通して失われて、啓蟄で述べた様に体内で火が昇って様々な熱証を生み出しやすくなる時期でもある。体内の乾燥を伴う熱を冷ますためには、冷水ではなく温水を常に飲むように心がける必要がある。穀雨花と称される牡丹の花は、一輪また一輪と当家の庭に咲き始めている。冒頭は満開の鳳丹皮の薬用牡丹である。

あをやぎの枝にかゝれる春雨は絲もてぬけるたまかとぞみる   伊勢 和漢朗詠集、雨