花紅柳緑~院長のBLOG

座右の銘「医事は自然に如かず」

医学あれこれ

動作を勤めて安を好むべからず│「養生七不可」杉田玄白

昨日非不可恨悔 昨日の非は恨悔すべからず 明日是不可慮念 明日の是は慮念すべからず飲与食不可過度 飲と食とは度を過ごすべからず 非正物不可苟食 正物に非あらざれば、苟(いやしく)も食すべからず無事時不可服薬 事なき時は薬を服すべからず頼壮実不可過…

医事不如自然 医事は自然に如かず│杉田玄白

「医事不自然」(医事は自然に如かず)は、医事に関する様々なことは自然の力に及ばないという意であり、『解体新書』の翻訳事業で知られる江戸時代中期の蘭学者、杉田玄白先生八十五歳の絶筆である。この言葉は人間がかかわる医学・医術・医療が無意味であ…

新型コロナウイルス感染症におけるTCM│中医体質分析

楊家耀, 他:90例普通型新型冠状病毒肺炎患者中医証候与体質分析, 中医雑誌61(8):645, 2020 J.Yang, et al.: Analysis on Traditional Chinese Medicine Syndromes and Constitutions of 90 Patients with Common COVID-19. 本論文は新型コロナウイルス感…

新型コロナウイルス感染症COVID-19と自然免疫・獲得免疫

S. Felsensteina, et al.: Review Article COVID-19: Immunology and treatment options. Clin. Immunol.215, 2020. 本論文はオンライン速報版の、新型コロナウイルス感染症COVID-19における免疫機構と治療戦略についての総説である。SARS-CoV2感染者の80%…

新型コロナウイルス感染症COVID-19と中薬香嚢

《新型コロナウイルス感染症COVID-19と嗅覚障害》の記事で、嗅神経性嗅覚障害に対する嗅覚トレーニング(olfactory training)(Hummel et al. 2009年)に触れた。用いられた嗅素はバラ・ユーカリ・レモン・クローブ香である。今回のCOVID-19の嗅覚障害に対…

新型コロナウイルス感染症COVID-19と嗅覚障害

新型コロナウイルス感染者における嗅覚障害や味覚障害の報告が各国から出てきている。3月27日現在、PubMedでCOVID-19/SARS-CoV-2と、Anosmia(無嗅覚)/Hyposmia(嗅覚低下)/dysgeusia(味覚障害)等の用語を掛け合わせて検索をかけたがヒットする論文は…

新型コロナウイルス感染症におけるTCM│中薬による予防(一)

Luo Hui et al.: Can Chinese Medicine Be Used for Prevention of Corona Virus Disease 2019 (COVID-19)? A Review of Historical Classics, Research Evidence and Current Prevention Programs. Chin J Integ Med, 2020 中薬(漢方薬)によるCOVID-19予…

新型コロナウイルス感染症におけるTCM│「新型冠状病毒肺炎診療方案」(試行第六版)

新型コロナウイルスの名称が「2019-nCoV」から「SARS-CoV-2」(severe acute respiratory syndrome coronavirus 2)(国際ウイルス分類委員会(International Committee on Taxonomy of Viruses:ICTV発表))に変更され、新型コロナウイルス感染症の疾患名…

新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染症の続報

新型コロナウイルス(2019-nCoV)肺炎に関する続報で、Lancet誌のWebに公開され閲覧可能である。 Nanshan Chen.et al.: Epidemiological and clinical characteristics of 99 cases of 2019 novel coronavirus pneumonia in Wuhan, China: a descriptive stu…

新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染症の臨床像を知る

1月30日現在、PubMedで“novel coronavirus pneumonia”を検索すると、2020年の論文が8例ヒットする。下記は新型コロナウイルス(2019-nCoV;novel betacoronavirus)感染症の臨床像に関する詳細な報告で、Lancet誌のWebで公開されている。 Huang C.et al.: Cl…

家庭での耳掃除

『無理な耳掃除やめて ~ 風呂上り ぬぐう程度に』という記事が、本日9月2日の朝刊(京都新聞、暮らし欄)に掲載されていた。日耳鼻の学校保健委員会の朝比奈紀彦先生が御監修で、「基本的に家庭内での耳掃除はやめてください」という骨子のもとに、外耳道の…

再興感染症

毎年10月頃、独立行政法人国立病院、南京都病院の御主催で医師向け結核研修会が開催される。8月22日の新聞には、正岡子規の新たな句が収められた歳旦帳が初公開されるという記事が掲載されていた。子規は肺結核、脊椎カリエス(結核性脊椎炎)を発症し三十四…

天下の名城、大阪城は落ちず

耳鼻咽喉科領域の回転性めまい疾患を形成する条件は二つ、病位がどちらか一方である「一側性」、そして疾病の発症から頂点までの進展が急激で速い「急性」である。一側性病変であっても障害の進行がゆるやかである場合、また両側の障害が同時期、同程度にお…

腹痛と腹部不快感のこと

重複した研究会のいずれに出席するかとさんざん迷った挙句、耳鼻咽喉科でも漢方でもない畑違いの消化器内科関連の講演会に出向いた週末があった。作成中の論文に関連し消化管症状について認識を深めねばと考えた為である。特別講演は『機能性消化肝障害の新…

終わりなき修練の道┃『Atlas of Otologic Surgery』の序文

Goycoolea MV, Paparella MM, Nissen RL: Atlas of otologic surgery, W.B.Saunders, 1989 Atlas of Otologic surgeryは1989年に出版された耳科手術に関する専門書で、長年の豊富な臨床経験に基づく耳科手術のエッセンスが多くの術野の図譜とともに記されて…

麻酔科医の折り紙

折り紙は無二の親友の福島弘子先生の力作である。福島先生は学識、臨床経験ともに優れた麻酔科指導医であるとともに、複雑でリアルな折り紙が得意である。公立山城病院在任の頃、麻酔担当の子供の患者さん一人ひとりに好きなものを尋ねて折っておられた。家…

インフルエンザワクチン

日経メディカル(日経BP社)12月号の特集、『今冬のかぜ診療○と×』において、インフルエンザ「ワクチンは効く?耐性株の流行は?」(p44-45)の欄に取り上げられていた、今年のワクチン製造株効果についての見解を要約し御紹介する。今シーズン接種済の方、未…