花紅柳緑~院長のBLOG

座右の銘「医事は自然に如かず」

二十四節気の養生

大寒の養生

大寒(1月21日)は、二十四節気の第24番目の節気である。二十四節気の最終の節気であり、冬でありながらも次には立春の到来を迎え、冬と春が隣り合わせに接する時節である。なお寒冷厳しく乾燥する気候が続くので普通感冒、インフルエンザなどを惹起しやすく…

小寒の養生

小寒(1月6日)は、二十四節気の第23番目の節気である。小寒から立春の前日までを「寒」と称し、小寒の後に続く大寒とともに冬の寒冷気候が最も厳しい時節である。小寒以降、寒の入りにお相手を気遣って出すのが寒中御見舞である。人体を侵襲して疾病をおこ…

冬の養生│冬のように生きる

冬は立冬から小雪、大雪、冬至、小寒、大寒までの六節気である。本年の立春に始めた《二十四節気の養生》は一巡まで残すところ二節気となった。さて四季を通して養生で一番重点を置くべきことは何だろう。それは「養神」であって「養形」ではないと、中国前…

冬至の養生

冬至(12月22日)は、二十四節気の第22番目の節気である。北半球では昼が最も短く、夜が最も長くなる。易経の六十四卦(か)の中では、帰る、元に復するという意の「地雷復(ちらいふく)」が冬至に相当する。「地雷復」は外卦(がいか)の卦名が坤(正象は…

万物の木地│冬の詩

冬の言葉 高村光太郎 冬が又来て天と地とを清楚にする。 冬が洗ひ出すのは万物の木地。 天はやっぱり高く遠く 樹木は思ひきつて潔らかだ。 虫は生殖を終へて平気で死に、 霜がおりれば草が枯れる。 この世の少しばかりの擬勢とおめかしとを 冬はいきなり蹂躪…

大雪の養生

大雪(12月7日)は、二十四節気の第21番目の節気である。小雪に比べて厳寒がひとしお身にしみる節気で、自然界の陽気が払底して陰気が最盛となる。しかし小雪の次には冬至となり、この後は陽気がふたたび生じ始め、陰気は次第に減じて行くのである。何故なら…

小雪の養生

小雪(11月23日)は、二十四節気の第20番目の節気である。気温はさらに降下して雪が降り始める時節とされるが、昨今は暖冬でいささか季節感がずれる。ともかくいまだ大雪が降るには至らない時期であるから小雪と称する。しかしながら日照時間はさらに短くな…

立冬の養生

立冬(11月8日)は、二十四節気の第19番目の節気である。漢字の「冬」の象形は食物をぶらさげて貯蔵したさまを表わす。秋に収穫され天日干しを経た作物が最終的に収納庫に蓄えられているのである。この収納、格納という意の「蔵」が冬の核となるイメージであ…

霜降の養生

霜降(10月24日)は、二十四節気の第18番目の節気である。さらなる冷気によって露が霜となり降り始めるとされる節気である。霜葉は二月の花よりも紅なりとも歌われた通り、野山は彩られて全山紅葉の錦秋の秋を迎える。霜は実際には、月落ち烏啼いて霜天に満…

寒露の養生

寒露(10月8日)は、二十四節気の第17番目の節気である。気温はさらに下降し、一日一日ますます増大してゆく陰寒の気によって、草木に凍らんばかりの冷たい露が宿るので寒露と称する。秋の燥気に寒冷が加算された気候となり、自然の萬物が黄色く枯れゆく深秋…

秋の養生│秋のように生きる

秋は立秋から処暑、白露、秋分、寒露、霜降までの六節気である。北宋の哲学者、明道先生こと程顥には、秋日偶成のほかにもその思想が深く投影された秋の詩がある。天道と人事の関係、自然と人とのあるべき和諧が詠じられた詩は、多くの文人墨客の悲秋とは一…

秋分の養生

秋分(9月23日)は、二十四節気の第16番目の節気である。昼夜の時間の長さが同じになる頃であり、秋分以降は春分とは反対に、昼の時間は短くなり夜が長くなって行く。身体は各々の体質に基づいて、虚(不足)や実(邪実)、寒や熱に偏る陰陽失調に陥りやすい。…

白露の養生

白露(9月8日)は、二十四節気の第15番目の節気である。夜間や明け方の気温低下がさらに加速する時節であり、地面に接した空気の温度が露点以下に低下すると大気中の水蒸気が水滴となり、草木の葉の上などに白く光る朝露が観察されるようになるために「白露…

きみの葡萄酒のなかに│秋の詩

ヴァレーのカトラン リルケ 山崎栄治訳 きみに見えるか、あの高いところ、かぐろい樅林のあいだあいだに 天使たちのあの放牧地が? 異様なひかりにつつまれて、ほとんど天上的で、 それは遠い以上のものに思われる。 それにしても、あかるい谿谷にみちあふれ…

処暑の養生

処暑(8月23日)は、二十四節気の第14番目の節気である。「処」は終わる、身を隠すという意味であり、「処暑」は長く続いた暑い日々がようやく終息することを告げている。この時期、日中の気温はなお高い一方、朝夕は涼しく爽やかになって、昼夜の温度差が大…

立秋の養生

立秋(8月8日)は、二十四節気の第13番目、秋季の最初の節気である。秋の始まりを意味するが、次の処暑までは気温は高めで残暑が続く。秋は万物が実り成熟する収穫の季節であり、次第に陽気が消えて行くとともに陰気が長じてゆく季節である。秋から冬にかけ…

大暑の養生

大暑(7月23日)は、二十四節気の第12番目の、夏季の最後の節気である。名称の通りに、一年で気温が最高温度となる酷暑の時節である。大暑に先立つ7月20日は土用の入りであった。五臓の中の脾は、「脾者土也、治中央、常以四時長四蔵、各十八日寄治、不得獨…

小暑の養生

小暑(7月7日)は、二十四節気の第11番目の節気である。暑い気候を迎えながらも、いまだ暑熱の最盛期に達していないので、小暑と称する。三伏天は夏至から三番目の庚(かのえ)の日から始まる、7月中下旬から8月上旬(小暑から立秋に相当)の一年で最も気温が…

夏の養生│夏のように生きる

夏は立夏から小満、芒種、夏至、小暑、大暑までの六節気である。国宝『十便十宜帖』(川端康成記念館所蔵)は池大雅と与謝蕪村の合作画帖であるが、蕪村が手掛けた十宜図のうちの夏への賛歌が「宜夏(ぎか)」である。描かれているのは『徒然草』」第五十五…

夏至の養生

夏至(6月22日)は、二十四節気の第十番目の節気である。昼の長さが一年で最も長く、夜の長さが反対に最も短くなり、陽気の最盛期を迎える一方で、陰気がすでに芽生え始める時期である。気温がますます上昇するとともに雨も多いので、暑熱の気候が湿気と結び…

はるかゆくてに│夏の詩

旅立つもの 江原 達 ぼくはふたたび旅立つだろう 夢みる逃亡者の影のように彷徨い にぶい岩肌の道を 朝の静寂が夜のしじまに面紗を蔽い さわやかな風の音とともにやってくるのを聞きながら 空のたかみに突き刺さる樹々の梢が 肩を寄せあう森の上 湖の中に影…

芒種の養生

芒種(6月6日)は、二十四節気の第9番目の節気である。イネ科植物の小穂に見られる鱗状の包葉を穎(えい)と呼ぶが、これの先端にあるとげの様な突起が芒(のぎ)である。芒種は稲や麦などの芒のある穀物の栽培に最も適している時期とされている。暦の上での…

小満の養生

小満(5月21日)は、二十四節気の第八番目の節気である。小麦などの夏の収穫を迎えた作物の実がふくらんできて、しかしいまだ成熟には至らずという意味である。この時期は草木が生い茂り、万物の成長が最も盛んとなる。これからさらに盛夏にむかって気温が上…

立夏の養生

立夏(5月6日)は、二十四節気の第七番目、夏季の最初の節気である。温暖な春が終わり、炎熱の夏の始まりである。昼の時間はさらに長くなり、夜が一層短くなって行く。草木の緑が新緑からさらにその濃さを増してゆき、吹き渡る清々しい風が初夏の到来を告げ…

穀雨の養生

穀雨(4月20日)は、二十四節気の第六番目、春季の最後の節気である。天候は温和となり、降雨量も増えてきて、雨生百谷、雨は百穀を生ずと称される通り、春の種蒔きや穀物の成長にふさわしい季節となる。春が深まり気温が上昇するにつれて、皮膚では血管や毛…

清明の養生

晴明(4月5日)は、二十四節気の第五番目の節気である。天気晴朗、空は晴れ渡り、生きとし生けるものが勢いよく伸び栄える季節となる。冬季に黄色く枯れた草もふたたび瑞々しい緑に変わり、これらの春の野山の青草を踏んで、晴明の頃に郊外に遊びにでかける…

春分の養生

春分(3月21日)は、二十四節気の第四番目の節気である。昼夜の長さが等しくなる頃であり、この後は昼の時間が長くなり、夜が短くなって行く。気候も寒さと暑さの境目にあたり、春の暖かさをより実感できる時節になってくるが、まだまだ寒暖が入り混じり気候…

いのちの芽生たち│春の詩

野原に寝る 萩原朔太郎 この感情の伸びてゆくありさま まつすぐに伸びてゆく喬木のやうに いのちの芽生のぐんぐんとのびる。 そこの青空へもせいのびすればとどくやうに せいも高くなり胸はばもひろくなった。 たいさううららかな春の空気をすひこんで 小鳥…

春の養生│春のように生きる

春は立春から雨水、啓蟄、春分、清明、穀雨までの六節気である。明代、洪自誠の『菜根譚』には次の一節がある。 「学者有段兢業的心思, 又要有段瀟洒的趣味, 若一味斂束清苦, 是有秋殺無春生, 何以発育萬物」 学ぶ者は段の兢業の心思あり。また段の瀟洒の趣…

啓蟄の養生

啓蟄(3月6日)は、二十四節気の第三番目の節気である。春の温暖の気候を感受して、泥土の中で冬ごもりをしていた虫が地上に姿を現す頃である。元来は驚蟄、蟄は蔵の意味で、初雷が轟き、土中の地虫を揺り動かして目覚めさせるのである。野山に各種の有形の…